こんにちは!
夢に向かって進む人を応援、沖縄から手作りの宝物をお届けします
作者の思いを込め、琉球王朝から受け継がれている紅型の工程を経て、多くの人の手により仕上がりました。
琉球紅型のお守りです。
紅型作家の金城さんがデザインしたヤンバルクイナが色鮮やかに描かれています。
親子で「空手」を知り稽古してきた金城さんが、空手をテーマに琉球紅型でお守りを作りました。
すべて手作業で紅型の染め上げ、裁断・製作を行っています。
空手家の名言である「黄金言葉(くがにくとぅば)」が入ったお守りには、
黄金言葉を自分で「守る」という作者の想いが込められています。
何かに挑戦する方、丁寧に作られた琉球紅型を楽しみたいという方にお勧めです。
応援したいあの人へのプレゼントするのも良いかもしれません。
この記事では、そんな「空手守り」にまつわるお話を紹介します。
ヤンバルクイナが空手を披露しています。
うち1匹はヤンバルクイナのヒナです。
(かわいい!)
「空手守り」の為に作者自らデザインしました。
お守りの封じは、
空手の黒帯をイメージしています。
グッと引き締まったデザインに仕上がりました。
裏面には力強い「沖縄空手」の文字。
染色から黒帯を結ぶ作業まで
全て手作りの100%ハンドメイドです。
沖縄の伝統的なお守りである「マース(塩)袋」
日本全国的に塩はお清めとして用いられていますが、沖縄では昔から小さな袋にマース(塩)を入れて持ち歩く習慣があります。
塩を厄除けやお守りとして身に着けるのです。
信念を「守る」
黄金言葉を胸に自分自身と約束して、
「自分で守る。強くなる。」
という作者の思いが宿っています。
琉球紅型の職人が染めています。
すべての工程がて手作業です。
作者紹介
琉球紅型作家。屋冨祖幸子先生の弟子。
屋冨祖幸子先生:やふそ紅型工房の代表を務める。
日本伝統工芸士、国が認める「現代の名工」。
子供の習い事がきっかけで空手に対する興味が沸き、自らも空手に関する知識を深めています。
金城さんの作品「手(てぃー)」は沖縄空手会館に寄贈され、正面玄関ロビーに飾られています。
空手の本質や精神など心の部分を表現しています。
作者が話す「空手守り」誕生ストーリー
緊張して大会に出場する子供たちを見て、お守りがあったら良いな~と思ったのが切っ掛けでした。
道場の先生は
「稽古の成果を見せる場だから、いつも稽古している事と同じ事をすれば良い」
とアドバイスしていらっしゃったので、
お守りを見たら、いつもの自分になれる(戻れる)。リラックスできる。
そんなお守りがあったら良いな~というのが最初です。
色々考えてデザインは気合いの入らないもの。むしろ力が抜けるものにして
お守りの中(核)にはマースと道場訓の中から「慢心せぬこと」を選んで入れました。
色々、思いを込めて作りましたが、子供たちに渡したら
「わーい!ヤンバルクイナ可愛い~」
と喜ぶばかりで、まったく私の思いは伝わらず撃沈しました(笑)。
(ガチョウのつもりで作成しましたが)大人も子供もガチョウのデザインを見て「ヤンバルクイナ」だと言うので、
ヤンバルクイナを間違って覚えたら大変だと思って、今のデザインに変更しました。
たくさんの工程を経て染め上がります。
乾燥させた島豆腐(ルクジュー)を下敷きに使用し、小刀(シーグ)で突き彫りをし、渋紙に柄を掘り出します。木製の下敷きとは違い、ルクジューはボコボコになりにくく、カンナで削ると再生できるので現代でも重宝しています。突き彫りも紅型の特徴で、紅型独特の穏やかな線になります。
作った型に糊を置いて乾燥させます。
乾燥したら糊のない部分に配色していきます。糊はもち米と糠から出来ていて、柄や気温、湿度によって柔らかさを変えます。
紅型の色差しは通常2回行います。
最初の色差しで配色をして 乾いたら2回目の色差しをします。2回目の色差しでは生地に顔料を刷り込むように重ね染めます。
色差しがおわったら隈取りをします。色差し用の筆と刷り込み用の刷毛の2本持ちで柄に隈を入れます。隈を入れることで立体感や奥行きが出ます。紅型では光の当たるところに隈を入れます。
沖縄の強い日射しで色を定着させます。陽に当てたら数日間枯らし(寝かせ)て水元をします。
4~5時間水に浸し、糊などの不純物を落とします。水の中で糊が落ち、模様が現れる瞬間は、とてもワクワクします。丹精を込めて作ったものですから充分な注意が必要な作業です。水元には沢山の水が必要となりますので、湧水が豊富な首里で紅型が発展したのも頷けます。
「空手守り」の制作は、
就労継続支援B型事業所へ
染色後の生地を裁断し縫製、綿詰め、黒帯締め、
の作業を委託しています。
就労継続支援B型とは
障害のある方が一般企業への就職が不安、あるいは困難な場合に、雇用契約を結ばないで軽作業などの就労訓練をおこなうことが可能な福祉サービスのことです。
作業を通してのスキルアップができ、色々な作業をする事で、その人に合う仕事を見付ける(得意な事を見付ける)きっかけ作りにも繋がっています。
事業所に支払われる作業代は、工賃として利用者さんに100%還元されています。
完成した「空手守り」にもうすこし、力を添えます。
完成した「空手守り」は沖縄空手会館に届いたあと、豊瀬御嶽で拝まれています。
御嶽というのは、
琉球神話の神が存在・来訪する場所
と言われており、また
祖先を神として祀っている祈りの場のことです。
地域を守るともされていて、沖縄で神聖な場所です。
沖縄空手会館を含む豊見城城址公園に位置する
豊見瀬御嶽(とみせうたき)。
琉球時代にハーリーや雨乞の祭祀の際に参拝していた
といわれています。
納品された「空手守り」はひとつ残らず
沖縄空手会館職員が豊瀬御嶽で拝んで販売しています。
また豊瀬御嶽の管理をする豊見城自治会へ
「空手守り」売上の一部の寄付を予定しています。
豊見瀬御嶽の環境維持のお手伝いも担います。
もうちょっとお話させて!
そのほかの取り組み
売上げの一部は、「世界の女性や子供の貧困問題」の関連団体へ寄付させていただきます。
知ってた?琉球紅型と空手の意外な共通点
琉球紅型の制作工程の中にある「型彫り」では、
島豆腐を圧縮・乾燥させたもの「ルクジュウ」を下敷きにして彫っていきます。
そのため琉球紅型の職人は作品作りの時に「島豆腐を作る」という話もあります。
一方、伝統空手は庶民の生活道具で鍛錬を行ったという歴史があります。
伝統空手で使用されている古武道の武具トンファーは、豆腐の材料である大豆を挽く石臼の持ち手が起源だといわれています。
実は、伝統空手と琉球紅型は沖縄の各家庭で作られていた「島豆腐」に関連があり、沖縄の伝統的な生活習慣抜きでは培われなかった文化といえます。
琉球紅型と伝統空手にはこんなに面白い共通点があったのです。
武具 トンファー
いかがでしたか?
沖縄空手会館で販売を開始した「空手守り」にまつわるたくさんのストーリーを紹介しました。
皆さまの手元に「空手守り」が届くことを願っています。